专利摘要:
ピッチp1で螺旋の状態に一緒に巻かれる直径d1のM(M=2〜4)本のワイヤから成る内側層(Ci)及びピッチp2で螺旋の状態に内側層(Ci)に一緒に巻き付けられる直径d2のN本のワイヤの外側層(Ce)で構成されたM+N構造の2つの層(Ci,Ce)を有する金属ケーブルを製造する方法であって、この方法は、少なくとも連続して実施される次のステップ、即ち、M本のコアワイヤを撚ることにより組み立てて組み立て箇所に内側層(Ci)を形成するステップ、M本のコアワイヤの組み立て箇所の下流側において、内側層(Ci)を未硬化状態の「充填コンパウンド」と呼ばれるジエンゴム組成物で被覆するステップ、被覆状態の内側層(Ci)の周りに外側層(Ce)のN本のワイヤを撚ることにより組み立てるステップ及び撚りを釣り合わせる最終ステップを有する、方法。
公开号:JP2011508109A
申请号:JP2010540063
申请日:2008-12-22
公开日:2011-03-10
发明作者:アンリ バルギュ;ティボー ポティエール
申请人:ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン;ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム;
IPC主号:D07B7-14
专利说明:

[0001] 本発明は、詳細には、ゴム製品、特にタイヤを補強するために使用できるM+N構造の2層金属ケーブルを製造する方法及び装置に関する。]
[0002] 本発明は、特に産業車両用のタイヤのベルトにおいて金属ケーブルの耐腐食性を向上させて、これらの耐久性を向上させるために、特に、実際に製造されている間、ゴムが生(未硬化)の状態で「現場でゴム引き」され、即ち内側からゴム引きされる型式の金属ケーブルを製造する方法及び装置に関する。]
背景技術

[0003] ラジアルタイヤは、公知のように、トレッドと、2つの非伸長性ビードと、ビードをトレッドに接合する2つのサイドウォールと、カーカス補強材とトレッドとの間に周方向に配置されたベルトとを有し、このベルトは、ゴムの種々のプライ(又は「層」)で形成され、これらプライは、金属又はテキスタイルタイプの補強要素(「補強材」)、例えばケーブル又はモノフィラメントで補強される場合もあればそうでない場合もある。]
[0004] タイヤベルトは一般に、「実働」プライ又は「クロス(たすき)掛け」プライと呼ばれる場合のある少なくとも2枚の重ね合わされたベルトプライで形成され、ベルトの一般に金属製の補強ケーブルは、実際に、プライ内で互いに平行に、しかしながら、一方のプライから他方のプライにクロス掛けされ、即ち、対称であるにせよそうでないにせよ、いずれにせよ、中間周方向平面に対し、問題のタイヤのタイプに応じて一般に10°〜45°の角度だけ傾斜して配置されている。クロス掛けプライは、ゴムの種々の他のプライ又は補助層によって仕上げられる場合があり、これら他のプライ又は補助層の幅は、場合に応じて様々であり、補強材を有している場合もあればそうでない場合もあり、例示として、「保護」プライと呼ばれているゴムの簡単なクッションが挙げられ、その役割は、ベルトの残部を外部からの攻撃や穴あけから保護することにあり、或いは、変形例として、実質的に周方向に差し向けられた補強材を有する「たが掛け(hooping)」プライと呼ばれている(「ゼロ度のプライ」と呼ばれている)ものが例示として挙げられ、これらは、クロス掛けプライに対して半径方向外方又は内方に設けられる。]
[0005] 例えばこのようなタイヤベルトは、公知のように、具体的には次のしばしば矛盾した種々の要求を満たさなければならない。]
[0006] 変形を少なくした状態でできるだけ剛性であること。というのは、このことは、タイヤのクラウンの補剛に実質的に寄与するからである。
一方においてはクラウンの内側ゾーンの走行中における加熱を最小限に抑えるため及び他方において燃料の節約と同じことであるタイヤの転がり抵抗を減少させるために、できるだけ小さいヒステリシスを有すること。
最後に、全て幾分腐食性の大気中において、特に分離現象、「割裂(cleavage)」という名称で知られているタイヤのショルダーゾーン中のクロス掛けプライの端部の亀裂に関して高い耐久性を有することであり、これは、高い圧縮疲労強さを有するようベルトプライを補強する金属ケーブルを必要とする。]
[0007] 第3の要求は、産業車両、例えば重車両用タイヤに関して特に強く、これら重車両用タイヤは、これらが有するトレッドが長期間の走行後に摩耗限度に達すると1回又は2回以上の更生又は山かけ(retreading)が可能であるように設計されている。]
[0008] 上述のベルトの補強材に関し、一般に、中央コア及びこのコアの周りに配置されたワイヤの1つ又は2つ以上の同心層で形成された「層状」ケーブル(「層状コード」)と呼ばれているスチールケーブル(「スチールコード」)が用いられている。最も広く用いられている層状ケーブルは、本質的には、場合によってはそれ自体P本のワイヤの外側層で包囲されたN本のワイヤの少なくとも1つの層によって包囲されているM本のワイヤのコアで形成されたM+N又はM+N+P構造のケーブルであり、M本、N本又はP本のワイヤは、一般に単純化及びコスト上の理由で同一直径のものである。]
[0009] より強く且つより耐久性があるようになっている炭素鋼の利用可能性は、具体的には、今日、タイヤ製造業者が、特に2つの層だけを有するケーブルの使用に向く傾向があることを意味しており、その目的は、特に、これらケーブルの製造を単純化し、複合補強プライの厚さ及びタイヤのヒステリシスを減少させ、その最終目的は、タイヤそれ自体のコストを下げると共にかかるタイヤを履いた車両のエネルギ消費量を減少させることにある。]
[0010] 上述の理由の全てに関して、タイヤベルト中に今日最も広く用いられている2層ケーブルは、本質的に、M本のワイヤ(特に3又は4本のワイヤ)のコア又は内側層及びN本のワイヤ(例えば、6〜12本のワイヤ)の外側層から成るM+N構造のケーブルである。外側層は、M本のコアワイヤの存在により生じる内側層の大きな直径により、特に、コアワイヤの直径が外側層のワイヤの直径よりも大きく選択される場合、比較的非飽和状態にある。]
[0011] この種の構造は、タイヤ又はゴム製品の硬化中、タイヤ又はゴム製品のゴムをカレンダー掛けすることによりケーブルに外部から侵入できやすくし、その結果、疲労及び疲労腐食の観点で、特に、上述の割裂の問題に関し、ケーブルの耐久性を向上させることができることが知られている。]
[0012] さらに、ゴムによるコードの良好な入り込み又は侵入により、知られているように、コード中の取り込み空気の量が少ないので、タイヤ硬化時間(「プレスタイム」)を減少させることができる。]
[0013] しかしながら、3+N又は4+N構造のケーブルには、ゴム含浸後においては空のままであり、したがって、一種の「吸い上げ効果(wicking effect)」により腐食性媒体、例えば水の伝搬にとって好都合のままであるチャネル又は毛管部が3本又は4本のコアワイヤの中央のところに存在するのでコードをコアまで入り込ませることができないという欠点がある。この欠点は、周知であり、例えば特許文献である国際公開第01/00922号パンフレット、同第01/49926号パンフレット、同第2005/071157号パンフレット及び同第2006/013077号パンフレットに記載されている。]
[0014] 上述の問題を解決するため、単一の中央ワイヤを用いることによりそのワイヤを互いに分けることによって内側層を開き、1本のワイヤを外側層から除去し、例えば1+3+(N−1)構造のこのようにして得られたケーブルを外側からその中心に入り込み可能であるようにすることが提案された。内側層のワイヤと比較して、中央ワイヤは、細すぎてはならず(というのは、もしそうでなければ、意図した非飽和効果が得られない)粗すぎてもならない(というのは、もしそうでなければワイヤは、コードの中央のところに留まらない)。典型的には、例えば直径0.35mmのCi並びにCi及びCe層ワイヤについては直径0.12mmの中央ワイヤを用いることが通例である(これについては、例えば、アールディー(RD)(リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure),1990年8月,316107号「スチール・コード・コンストラクション(Steel cord construction)」を参照されたい)。]
[0015] ケーブルの強度を更に増大させることはないワイヤを追加することが必要なので、費用が高くつくこの第1の解決策には、製造上の問題があり、即ち、ワイヤを布線又は撚り中、ケーブルの中央に保つためには中央ワイヤを大きな張力下に置いて置かなければならず、この張力は、或る特定の場合、ワイヤの引張強度に近づく場合がある。外側ワイヤのうちの1本を除去することにより、単位断面積当たりにおけるケーブルの強度が一段と減少するという結果が生じる。]
[0016] このコア侵入問題を解決するため、米国特許出願公開第2002/160213号明細書は、一部において、現場ゴム引き型式のM+N型ケーブルの製造を提案している(なお、M=2〜4)。この特許文献において提案された方法は、M本のワイヤのうちのちょうど1本又は好ましくは各々をかかるワイヤの組み立て箇所(又は撚り箇所)の上流側において生の状態のゴムを用いて個々に(即ち、別々に、「ワイヤ毎に」)被覆し、ゴム被覆内側層を得て、その後に、外側層のN本のワイヤを次に、このようにして被覆された内側層に巻き付けることにより定位置に配置する。]
[0017] 国際公開第01/00922号パンフレット
国際公開第01/49926号パンフレット
国際公開第2005/071157号パンフレット
国際公開第2006/013077号パンフレット
米国特許出願公開第2002/160213号明細書]
先行技術

[0018] アールディー(RD)(リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure),1990年8月,316107号「スチール・コード・コンストラクション(Steel cord construction)」]
発明が解決しようとする課題

[0019] 提案された上述の方法には、多くの問題がある。第1に、M本のうちで1本のワイヤだけを被覆する(例えばこの米国特許出願公開明細書の図11及び図12に示されているように)ことによっては、最終のケーブルにゴムを十分に充填するようにはならず、したがって、かかるケーブルは、満足のゆく耐食性が得られるようにはしない。第2に、M本のワイヤの各々のワイヤ毎の被覆(例えばこの米国特許出願公開明細書の図2及び図5に示されているように)によりケーブルが実際に充填されるが、その結果、過度に多量のゴムが用いられる。この場合、ゴムが最終のケーブルの周囲からにじみ出ることは、工業的布線ゴム被覆条件下では許容できない。] 図2 図5
[0020] 未硬化のゴムの粘着性が非常に高いので、このようにしてゴム引きされたケーブルは、最終的にケーブルを正確にカレンダ掛けすることができないということは言うまでもなく、これが望ましくないことには製造用ツール又はケーブルが受け入れスプールに巻き付けられているときケーブルのターン相互間にくっつくので使用できないようになる。この場合、カレンダ掛けでは、2つの未硬化のゴム層相互間への組み込みによりケーブルを次の製造のため、例えばタイヤの成型のために半完成品としての役目を果たすゴム被覆金属ファブリックの状態に変換することから成ることは思い起こされよう。]
[0021] M本のワイヤの各々を個々に被覆することにより生じるもう1つの問題は、M個の押出しヘッドを用いなければならないので、必要とされるスペースの量が多いということにある。かかるスペースが占有されるということに鑑みて、円筒形の層(即ち、或る1つの層と別の層とでは異なるピッチp1,p2を備えた層又はピッチp1,p2が互いに同一であるが、撚り方向が1つの層と別の層とでは異なる層)を有するケーブルの製造は、必然的に、2つの不連続の作業で実施されなければならず、即ち、(i)第1段階では、ワイヤを個々に被覆し、次に内側層を布線すると共に巻回し、(ii)第2段階では、外側層を内側層に巻き付けなければならない。この場合も又、生状態のゴムの高い粘着性に鑑みて、内側層の中間巻回及び貯蔵では、巻き層相互間又は所与の層のターン相互間の望ましくない結合を回避するために、リールに巻き付ける際には挿入物の使用及び広い分離ピッチが必要である。]
[0022] 上述の問題の全ては、工業的見地からは仕方のないことであり、高い製造速度の達成に反することになる。]
[0023] 本出願人は、研究を続行している間に、現場でゴム引きされたM+Nケーブルの製造に利用でき、上述の欠点を解決できる、撚りとゴム引きを引き続き且つ連続して実施する新規な方法を発見した。]
課題を解決するための手段

[0024] 本発明の第1の要旨は、ピッチp1で螺旋の状態に一緒に巻かれる直径d1のM(M=2〜4)本のワイヤから成る内側層(Ci)と、ピッチp2で螺旋の状態に内側層(Ci)に一緒に巻き付けられる直径d2のN本のワイヤの外側層(Ce)とを含むM+N構造の2つの層(Ci,Ce)を有する金属ケーブルを製造する方法であって、方法は、少なくとも連続して実施される次のステップ、即ち
M本のコアワイヤを撚ることにより組み立てて組み立て箇所に内側層(Ci)を形成するステップ、
M本のコアワイヤの組み立て箇所の下流側において、内側層(Ci)を生の状態の「充填ゴム」と呼ばれるジエンゴムコンパウンドで被覆するステップ、
被覆状態の内側層(Ci)の周りに外側層(Ce)のN本のワイヤを撚ることにより組み立てるステップ、及び
撚りを釣り合わせる最終ステップを有することを特徴とする方法にある。]
[0025] 本発明は又、本発明の方法を実施するために使用できる組み立てとゴム引きを連続して行う装置であって、この方法の実施中において装置が、形成中のケーブルの移動方向において上流側から下流側に、
M本のコアワイヤを供給する手段、
M本のコアワイヤを撚り合わせることにより組み立てて内側層を形成する第1の手段、
内側層を被覆する手段、
被覆手段の下流側に設けられていて、N本の外側ワイヤを被覆状態の内側層の周りに撚ることにより組み立てて外側層を形成する第2の手段、及び
第2の組み立て手段の出力部のところに設けられていて、撚り釣り合わせ手段を有することを特徴とする装置に関する。]
[0026] 本発明及びその利点は、以下の説明及び実施形態並びにこれら実施形態に関連した図1〜図7を参照すると容易に理解されよう。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7
図面の簡単な説明

[0027] 本発明の方法を実施するために使用できる、撚ると共に現場でゴム引きする装置の一例を示す図である。
本発明の方法を用いて製造できるコンパクトな型式の本発明の3+9構造のケーブルの断面図である。
これ又、コンパクトな型式の従来型3+9構造ケーブルの断面図である。
本発明の方法を用いて製造できる円筒形層を備えた型式の本発明の3+9構造のケーブルの断面図である。
これ又、円筒形層を備えた型式の従来型3+9構造のケーブルの断面図である。
直径が非常に小さいコアワイヤを備えた1+3+8構造の円筒形層を備えた型式の別の従来型ケーブルの断面図である。
ラジアルカーカス補強材を有する重量物運搬車両用タイヤの半径方向断面図である。]
実施例

[0028] 本明細書において、別段の指定がなければ、指示された割合(%)の全ては、重量パーセントである。さらに、「aとbとの間」という表現により示された値の間は、aよりも大きく且つbよりも小さい値の範囲を示しており(即ち、極値a,bは除かれる)、これに対し、「aからbまで」という表現により示された値の間は、aからまでの値の範囲(即ち、極値a,bが含まれる)を意味している。]
[0029] 本発明の方法は、ピッチp1で螺旋の状態に一緒に巻かれる直径d1のM(M=2〜4)本のワイヤから成る内側層(Ci)と、ピッチp2で螺旋の状態に内側層(Ci)に一緒に巻き付けられる直径d2のN本のワイヤの外側層(Ce)とを含むM+N構造の2つの層(Ci,Ce)を有する金属ケーブルを製造する方法であって、方法は、少なくとも連続して実施される次のステップ、即ち
最初に、M本のコアワイヤを撚ることにより組み立てて組み立て箇所に内側層(Ci)を形成するステップ、
次に、M本のコアワイヤの組み立て箇所の下流側において、内側層(Ci)を生の状態の「充填ゴム」と呼ばれるジエンゴムコンパウンドで被覆するステップ、
次に、被覆状態の内側層(Ci)の周りに外側層(Ce)のN本のワイヤを撚ることにより組み立てるステップ、及び
次に、撚りを釣り合わせる最終ステップを有する。]
[0030] ここで思い起こされるように、金属ワイヤを組み立てる技術としては、次のように2つの方法が考えられる。
布線によること、かかる場合、ワイヤは、組み立て箇所の前後での同期回転に鑑みてこれら自体の軸線回りに撚りを生じない。
又は、撚りによること、かかる場合、ワイヤは、これら自体の軸線回りにひとまとまりの撚りと個々の撚りの両方を生じ、それによりワイヤの各々に加わる非撚りトルクが生じる。]
[0031] 上述の方法の1つの必須の特徴は、この方法が内側層の組み立てと外側層の組み立ての両方のための撚りステップを使用するということである。]
[0032] 第1のステップの際、それ自体知られている仕方で内側層(Ci)を形成するためにM本のコアワイヤを互いに撚り合わせる(S又はZ方向に)。コアワイヤを共通の撚り箇所(又は組み立て箇所)に集束させるようになった組み立てガイドに結合されているにせよそうでないにせよ、いずれにせよ、ワイヤを供給手段、例えばリール、スプリッタにより送る。]
[0033] 内側層のM本のワイヤは、例えば0.20〜0.50mm、特に0.23〜0.40mmの直径d1を有し、これらの撚りピッチp1は、例えば5〜30mmである。]
[0034] 知られているように、この場合、ピッチ“p”は、コードの軸線に平行に測定した長さを表し、その端部のところでは、このピッチを有するワイヤは、コードの軸線回りに丸一回転している。]
[0035] 次に、このようにして形成された内側層(Ci)を適当な温度で押出しスクリューにより供給された充填ゴムで被覆する。充填ゴムを先行技術において説明したように内側層の形成前にワイヤを組み立て作業の上流側で個々に被覆する必要なく、単一の押出しヘッドによって単一の固定された小さな箇所に送ることができる。]
[0036] この方法は、従来の組み立て方法を減速させないという顕著な利点を有する。この方法により、初期撚り、被覆及び最終撚りの作業全体を、製造されるコードの型式がどうなるようなものであれ(コンパクトな層又は円筒形層を備えた層)連続して且つ単一ステップで実施することができ、これは全て高速で可能である。本発明の方法を70m/分を超え、好ましくは100m/分を超える速度(ケーブルが撚り/被覆ラインを通過する速度)で実施することができる。]
[0037] 組み立て箇所の下流側において(即ち、組み立て箇所と押出しヘッドとの間において)、或る1本のワイヤと次のワイヤとで実質的に同一であるM本のワイヤに加えられる引張応力は、好ましくは、ワイヤの引張強度の10〜25%である。]
[0038] 押出しヘッドは、1つ又は2つ以上のダイ、例えば上流側案内ダイ及び下流側較正ダイを有するのが良い。ケーブルの直径を連続的に測定して制御する手段を加えるのが良く、これらは、押出機に連結される。好ましくは、充填ゴムの押出し温度は、60℃〜120℃、より好ましくは、70℃〜110℃である。]
[0039] 押出しヘッドが、回転筒体の形態をした被覆ゾーンを構成し、その直径は、当然のことながら、製造中のケーブルの特定の構造に合わせて設定される。一例を挙げると、3+N構造のケーブルの場合、押出し直径が、好ましくは、0.4〜1.2mm、より好ましくは0.5〜1.0mmである。押出し長さは、好ましくは、4〜10mmである。]
[0040] 好ましくは、押出しヘッドを出ると、内側層Ciの周囲上のあらゆる箇所を好ましくは5μmを超え、より好ましくは10μmを超え、例えば10〜50μmの最小厚さの充填ゴムで被覆する。]
[0041] 押出しヘッドで送り出される充填ゴムの量は、完成状態のケーブル(現場ゴム引きケーブル)1グラム当たり5〜40mgの好ましい範囲に調節される。]
[0042] 指示した最小値以下では、充填ゴムがケーブルの隙間の各々の中に確かに存在するようにすることは不可能であり、これに対し、指示した最大値を超えると、充填ゴムがコードの周囲で表面から突き出ることによる上述の種々の問題が生じる場合がある。これら全ての理由で、充填ゴム含有量は、ケーブル1g当たり5〜25mg、より好ましくは10〜20mgであることが好ましい。]
[0043] ジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のブタジエンコポリマー、種々のイソプレンコポリマー、及びこれらエラストマーの混合物から成る群から選択される。好ましい実施形態は、「イソプレン」エラストマー、即ち、イソプレンホモポリマー又はコポリマー、換言すると、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー及びこれらエラストマーの混合物から成る群から選択されたジエンエラストマーを用いることから成る。]
[0044] 充填ゴムは、加硫可能な種類のものであり、即ち、一般に、コンパウンド又は組成物がこれを硬化したときに架橋する典型的には硫黄及び1種類又は2種類以上の促進剤を主成分とする加硫系を有する。充填ゴムは、タイヤゴム母材中に通常用いられる添加剤のうちの幾つか又は全て、例えば補強充填剤、例えばカーボンブラック又はシリカ、酸化防止剤、油、可塑剤、加硫戻り防止剤、樹脂、粘着促進剤、例えばコバルト塩を更に含むのが良い。好ましくは、充填ゴムは、架橋状態では、5〜25MPa、より好ましくは5〜20MPaのE10(10%伸び率)割線引張モジュラスを有する。]
[0045] 先の被覆ステップを出ると、第3のステップ中、外側層(Ce)のN本のワイヤは、再び上述のように被覆された内側層(Ci)の回りに撚る(S又はZ方向に)ことによって最終の組み立てが行われる。撚り作業中、N本のワイヤは、充填ゴムに当たり、かかる充填ゴム中に部分敵に埋め込み状態になる。これら外側ワイヤによって及ぼされた力により変位した充填ゴムは、内側層と外側層との間にワイヤにより空になったままの隙間又はキャビティの各々を少なくとも部分的に充填する自然な傾向がある。]
[0046] 外側層中のワイヤの本数Nは、当然のことながら、それぞれの直径d1,d2だけでなく内側層のワイヤの本数Mにも依存する。好ましくは3又は4に等しいMの値の場合、Mは、好ましくは、6〜12まで様々である。これらN本のワイヤは、例えば、0.20〜0.50mm、特に0.23mm〜0.4mmの直径d2を有し、当然のことながら、d2は、M本のコアワイヤの直径d1と同一であっても良く、これとは異なっていても良い。]
[0047] 特に好ましい実施形態によれば、内側層は、3本又は4本のワイヤ、より好ましくは3本のワイヤを有し、外側層は、好ましくは、8本、9本又は10本のワイヤを有する。
3+Nケーブルの場合、好ましくは次の関係式が満たされる。
N=8の場合、0.7≦(d1/d2)≦1、
N=9の場合、0.9≦(d1/d2)≦1.2、
N=10の場合、1.0≦(d1/d2)≦1.3
を満足する。]
[0048] 特に好ましい実施形態によれば、内側層は、3本のワイヤを有し、外側層は、9本のワイヤを有する。]
[0049] ピッチp1と同一又はこれとは異なる撚りピッチp2は、好ましくは、10〜30mm、より好ましくは12〜25mmである。好ましくは、関係式0.5≦p1/p2≦1が満たされる。]
[0050] 別の好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、互いに同一であるp1,p2で実施される。]
[0051] 好ましくは、外側層Ceは、飽和層であるという好ましい特徴を有し、即ち、定義上、この層の中には直径d2の少なくとも(Nmax+1)番目のワイヤを追加するのに十分な空間が無く、Nmaxは、内側層Ciに層として巻き付けることができるワイヤの最大本数を表している。この構成は、充填ゴムがその表面からにじみ出る恐れを制限すると共にコード直径が所与の場合、高い強度を提供するという利点を有する。]
[0052] ワイヤの本数Nは、本発明の特定の実施形態に応じて大きくばらつきがあって良く、例えば3本の内側層Ciについては6〜12本であり、理解されるべきこととして、ワイヤの最大本数Nmaxは、M本のコアワイヤの直径d1と比較して直径d2を減少させると増大し、その目的は、好ましくは外側層が飽和状態に保たれるようにすることにある。]
[0053] 任意の層状ケーブルのようなM+Nケーブルは、主としてコンパクトな型式と円筒形層を備えた型式の2つのものであるのが良い。]
[0054] 本発明の特に好ましい一実施形態によれば、外側層(Ce)のワイヤは、例えば図2に概略的に示されているコンパクトな型式の層状ケーブルが得られるようにするために内側層(Ci)のワイヤと同一のピッチ且つ同一の撚り方向(即ち、S方向(“S/S“構造)又はZ方向(“Z/Z”構造)のいずれか)で螺旋体の状態に巻かれている。
かかるコンパクトな層状ケーブルでは、コンパクトさは、ワイヤの別個の層が事実上見えないようなものであり、この結果、かかるケーブルの断面は、例えば図2(現場でゴム引きされるコンパクトな3+9ケーブル)及び図3(従来型のコンパクトな3+9ケーブル、即ち、現場でゴム引きされないケーブル)に示されているように多角形及び非円筒形の輪郭を有する。] 図2 図3
[0055] 外側層を充填ゴムで被覆された内側層の回りに撚った後では、M+Nケーブルはまだ完成されていない。M本のコアワイヤ(Mが3又は4に等しい)コアワイヤにより画定された中央チャネルは、まだ充填ゴムで満たされておらず、いずれの場合においても、許容可能な空気不透過性が得られるのに十分満たされていない。Mが2に等しい場合、充填ゴムは、互いに接触状態のままである2本のワイヤ相互間に十分には侵入しないで内側層を包囲し、これは、特に潜在的なフレッチング(fretting)摩耗の恐れに関して有害であることが分かっている場合がある。]
[0056] 次の必須のステップでは、ケーブルが撚りを釣り合わせる手段を通過するようにする「撚り釣り合わせ」という用語は、本明細書においては、知られているように、内側層と外側層の両方の中のケーブルの各ワイヤに及ぼされる残留トルク(又は解撚スプリングバック)を打ち消し合うことを意味するものと理解されたい。]
[0057] 撚り釣り合わせツールは、撚り技術における当業者には周知である。撚り釣り合わせツールは、例えば、「ストレートナ」、「ツイスタ」又は「ツイスタ‐ストレートナ」から成り、ツイスタ‐ストレートナは、ツイスタの場合にはプーリから成り又はストレートナの場合には小径ローラから成り、ケーブルは、これらプーリ及び/又はローラを通って走行する。]
[0058] これら釣り合わせツールの通過中、M本のコアワイヤに及ぼされる解撚(その結果、これらワイヤのこれらの軸線回りの少なくとも部分的な逆回転が生じる)は、依然として高温であり且つケーブルの外側からコアに向かって比較的流動状態にある充填ゴムを生の状態(即ち、未架橋又は未硬化状態)でM(M=3又は4)本のワイヤにより又はまさに2本のワイヤ(M=2の場合)相互間に形成された中央チャネルのちょうど内側に押し込み又は駆動するのに十分であり、最終的に、本発明のケーブルにこれを特徴付ける優れた通気性を与えることが経験的に仮定される。さらに、矯正ツールを用いることにより適用される矯正機能は、ストレートナのローラと外側層のワイヤとの接触により追加の圧力は充填ゴムに及ぼされ、M本のコアワイヤにより形成された中央毛管部中への充填ゴムの侵入が一段と促進されるという利点を有すると考えられる。]
[0059] 換言すると、本発明の方法は、ケーブルの最終製造段階においてM本のコアワイヤの回転を利用して充填ゴムを内側層(Ci)の内部に且つその周りに自然に且つ一様に分布する一方で、供給される充填ゴムの量を完全に制御する。]
[0060] 予期せぬこととして、先行技術において説明したようにM本のワイヤが組み立てられる箇所の上流側ではなく、その下流側にゴムを付着させることにより本発明のケーブルのまさにコア内に侵入させる一方で、単一の押出しヘッドの使用により送り出された充填ゴムの量を依然として制御すると共に最適化することが可能であることが判明した。]
[0061] この最終の撚り釣り合わせステップ後、本発明のケーブルの製造が完了する。次に、このケーブルを貯蔵のために受け入れスプールに巻き付けるのが良く、その後例えば、金属/ゴム複合ファブリックを調製するためにカレンダ掛けユニットにより処理する。]
[0062] 調製されると、M+Nケーブルは、気密であると称され又は空気を通さず、以下のセクションII‐1‐Bで説明される通気度試験では、このケーブルは、平均空気流量が2cm3/分以下、好ましくは0.2m3/分以下であることを特徴としている。]
[0063] 本発明の方法により、M+Nケーブルを製造することができ、有利には、かかるケーブルの周囲上には充填ゴムが存在しない(又は事実上存在しない)。かかる表現は、裸眼ではケーブルの周囲上の充填ゴムの粒子を見ることはできず、即ち、当業者であっても、製造後においては、本発明に従って調製された現場ゴム引きされたM+Nケーブルのリールと従来型ケーブル(即ち、現場でゴム引きされなかったケーブル)のリールの差を裸眼では且つ2又は3メートルの距離を置いたところでは識別することができないということを意味している。]
[0064] 当然のことながら、この方法は、コンパクトなケーブル(思い起こされるべきこととして、定義上、層Ci,Ceが同一ピッチで且つ同一方向に巻かれたケーブル)と円筒形層状ケーブル(思い起こされるべきこととして、定義上、層Ci,Ceが互いに異なるピッチか互いに異なる方向かのいずれかで或いは互いに異なるピッチで且つ互いに逆方向に巻かれたケーブル)の両方の製造に利用できる。]
[0065] 上述の本発明の方法を実施するために使用することができる本発明の組み立て及びゴム引き装置は、上流側端部から下流側端部に向かって、形成中のケーブルの前進方向に沿って、
M本のコアワイヤを供給する手段と、
M本のコアワイヤを撚り合わせることによりM本のコアワイヤを組み立てて内側層を形成する手段と、
内側層を被覆する手段と、
被覆手段の下流側に設けられていて、N本の外側ワイヤを上述のように被覆された内側層の回りに撚ることにより外側ワイヤを組み立てて外側層を形成する手段と、
最後に、撚り釣り合わせ手段とを有する。]
[0066] 添付の図1は、固定供給手段又は装置及び回転受取りユニット又は装置を備えた型式の撚りによる組み立て装置(10)の一例を示しており、この組み立て装置は、例えば図2に示されているようにコンパクトな型式のケーブル(p2=p3、層Ci,Ceが同一の撚り方向)の製造に使用できる。この装置では、供給装置(110)は、スプリッタプレート(12)(非対称スプリッタ)を通ってM本(例えば3本)のコアワイヤ(11)を送り出し、このスプリッタは、組み立てガイド(13)に結合されていても良く又は結合されていなくても良く、M本のコアワイヤは、内側層(Ci)を形成するためにこの組み立てガイドを越えて組み立て箇所又は撚り箇所(14)に集束する。] 図1 図2
[0067] 内側層Ciは、いったん形成されると、次に被覆ゾーンを通過し、この被覆ゾーンは、例えば単一の押出しヘッド(15)から成り、内側層は、この押出しヘッドを通過するようになっている。集束箇所(14)と被覆箇所(15)との間の距離は、例えば、50cm〜1mである。供給手段(170)により送り出された外側層(Ce)のN本のワイヤ(17)、例えば9本のワイヤは、次に、矢印の方向に沿って進んでいる上述のようにゴムで被覆された内側層Ci(16)回りに撚られることにより組み立てられる。このようにして形成された最終のM+Nケーブルは、例えばツイスタ‐ストレートナから成る撚り釣り合わせ手段(18)を通過した後、最終的に回転受取りユニット(19)上に集められる。]
[0068] ここで思い起こされるように、当業者には周知であるが、例えば図4に示されているような円筒形層型式の本発明のケーブル(層Ci,Ceについて互いに異なるピッチp2,p3及び/又は互いに異なる撚り方向)は、例えば上述した回転(供給又は受け取り装置)部材(図1)ではなく、2つの回転(供給手段又は受け取り装置)ユニットを有する装置が用いられる。] 図1 図4
[0069] 図2は、ケーブルの軸線(直線であり且つ静止状態にあると仮定されている)に垂直な断面において本発明の好ましい3+9ケーブルの一例を概略的に示している。] 図2
[0070] このケーブル(C‐1で示されている)は、コンパクト型のものであり、即ち、その内側層Ciと外側層Ceは、同一方向(公認の命名法によればS/S又はZ/Z)に且つこれに加えて同一ピッチ(p1=p2)で巻かれている。この種の構造は、内側ワイヤ(20)と外側ワイヤ(21)が各々実質的に多角形(層Ciの場合三角形、層Ceの場合、六角形)であり、以下に説明する円筒形層状ケーブルの場合のように円筒形ではない輪郭(点線で示されている)を有する2つの同心層を形成するという結果を有する。]
[0071] 充填ゴム(22)は、3本のコアワイヤ(20)により形成されると共にこれらコアワイヤを非常に僅かではあるが離隔させる中央毛管部(23)(三角形で表されている)を充填する一方で、3本のワイヤ(20)により形成された内側層Ciを完全に覆う。充填ゴムは又、1本のコアワイヤ(20)及びこれに直ぐ隣接して位置する2本の外側ワイヤ(21)により形成されるか2本のコアワイヤ(20)及びこれに隣接して位置する外側ワイヤ(21)によって形成されるかのいずれかである各隙間又はキャビティ(これも又、三角形で表されている)も又充填する。全体として12個の隙間又は毛管部がこの3+9ケーブル中に存在し、これには中央毛管部(23)が追加される。]
[0072] 好ましい実施形態によれば、本発明の3+Nケーブルでは、充填ゴムは、これが覆っている層Ciの周りに連続的に延びている。]
[0073] 比較すると、図3は、これ又コンパクト型の従来型3+9ケーブル(C‐2で示されている)(即ち、現場でゴム引きされていないケーブル)の断面を示している。充填ゴムが設けられていないことは、事実上全てのワイヤ(30,31)が互いに接触状態にあり、その結果、特にコンパクトな構造、即ち、外部からゴムによる侵入が更に非常に困難である(不可能であるというわけではない)構造が得られることを意味している。この種のケーブルの特徴は、3本のコアワイヤ(30)が空であり且つ閉鎖されており、したがって「吸い上げ」効果により腐食性媒体、例えば水の伝搬にとって都合の良い中央毛管部又はチャネル(33)を形成することにある。] 図3
[0074] 図4は、本発明の好ましい3+9ケーブルの別の例を概略的に示している。] 図4
[0075] このケーブル(C‐3で示されている)は、円筒形層を備えた型式のものであり、即ち、その内側層Ci及び外側層Ceは、同一ピッチ(p1=p2)であるが、異なる方向(S/Z又はZ/S)に巻かれるか、或いは、異なるピッチ(p1≠p2)であるが撚り方向はどのようなものであっても良い(S/S又はZ/Z又はS/Z又はZ/S)状態で巻かれている。知られているように、この種の構造は、ワイヤがケーブル(及び2つの層)に円筒形であり、もはや多角形ではない輪郭(点線で表されている)を与える2つの互いに隣接した同心管状層(Ci,Ce)の状態で配置されるという結果を有する。]
[0076] 充填ゴム(42)は、3本のコアワイヤ(40)により形成されると共にこれらコアワイヤを非常に僅かではあるが離隔させる中央毛管部(43)(三角形で表されている)を充填する一方で、3本のワイヤ(40)により形成された内側層Ciを完全に覆う。この充填ゴムは又、1本のコアワイヤ(40)及びこれに直ぐ隣接して位置する2本の外側ワイヤ(41)(最も近くに位置する外側ワイヤ)により形成されるか2本のコアワイヤ(40)及びこれに隣接して位置する外側ワイヤ(41)によって形成されるかのいずれかである各隙間又はキャビティも又、少なくとも部分的に(しかしながら、この例では、完全に)充填し、全部で12個の隙間又は毛管部が中央毛管部(33)と共にこの3+9ケーブル中に存在する。]
[0077] 比較目的のため、図5は、同様に2つの円筒形層を備えた型式の従来型3+9ケーブル(C‐4で示されている)(即ち現場でゴム引きされていないケーブル)の断面の残りを示している。充填ゴムが設けられていないことは、内側層(Ci)の3本のワイヤ(50)が事実上互いに接触し、その結果、中央毛管部(53)は、空であり且つ閉鎖されており、外部からゴムによって侵入できず、また、腐食性媒体の伝搬にとって都合が良い。] 図5
[0078] 本発明の方法は又、有利には、2+N構造のケーブルに利用できる。内側からの充填ゴムによるケーブルの侵入の最適化のために、外側からの特にゴムのその侵入性を向上させるために外側層を脱飽和する必要はもはやない。層Ci,Ce中のワイヤ直径が同一である場合、これにより、例えば2+7構造のケーブルを2+8構造のケーブルで置き換えることができるので有利であり、それにより全体サイズが同一の場合に大きな強度が得られる。]
[0079] 好ましい例を挙げると、本発明の方法は、2+6、2+7、2+8、3+7、3+8、3+9、4+8、4+9、4+10構造のケーブル、特に一方の層から他方の層まで実質的に同一の直径を有する(即ち、d1=d2)ワイヤから成るこれらケーブルを製造するために使用される。]
[0080] 当然のことながら、本発明の方法は、ワイヤの直径が上述したように0.20〜0.50mmである好ましいケーブルの製造には限定されない。例えば、本発明の方法は、M本及びN本のケーブルが小さな直径d1,d2、例えば0.08〜0.20mmの直径を有するケーブルを製造するために使用でき、例えば、かかるケーブルは、タイヤのクラウン補強材以外のタイヤの部分を補強し、特に産業車両、例えば重量物運搬車両用のタイヤのカーカス補強材を補強するために使用できる。]
[0081] II.本発明の例示の実施形態]
[0082] 以下の試験は、タイヤ中のケーブルの耐久性がケーブルの軸線に沿う優れた空気不透過性によりかなり向上したケーブルを提供する本発明の方法の特徴を立証している。]
[0083] II−1.用いられる測定及び試験
A.ダイナモメトリック測定]
[0084] 金属ワイヤ及び金属ケーブルに関し、Fm(単位がNの最大荷重)で表される破断力、Rm(単位MPa)により表される引張強度及びAt(%で表した全伸び率)により表される破断点伸び率の測定は、1984年のISO6892規格に従って張力下で行われる。]
[0085] ゴムコンパウンド又は組成物に関し、弾性率(モジュラス)の測定は、別段の指定がなければ、1998年のASTM・D・412規格(試験片“C”)に従って張力下で実施され、E10で示されると共にMPaで表された10%伸び率における(試験片の実際の断面に関して)「真の」割線モジュラス(又はヤング率)は、第2の伸びで(即ち、適合サイクル後)1999年の標準ASTM・D・1349(1999)に従って通常の温度及び湿度条件下で測定される。]
[0086] B.通気度試験]
[0087] この試験では、所与の時間にわたり一定の圧力下で試料中を通る空気の量を測定することにより試験対象のケーブルの長手方向通気度を求めることができる。当業者には周知であるかかる試験の原理は、ケーブルが空気に対して不透過性であるようにするためにケーブルの所与の有効性を立証することにある。試験は、例えば、規格ASTM‐D2692‐98に記載されている。]
[0088] 試験は、この場合、タイヤから抽出されたケーブル又はケーブルが補強しているゴムプライから抽出されたケーブル、したがって既に硬化ゴムで被覆されているケーブルか或いは製造されたばかりのケーブルかのいずれかについて行われる。]
[0089] 後者の場合、生のケーブルは、前もって外部から被覆ゴムで被覆されなければならない。これを行うため、互いに平行であるように(ケーブル間距離:20mm)配置された一連の10本のケーブルを硬化ゴムコンパウンドの2つのスキム(測定長さが80×200mmの2つの三角形)相互間に配置し、各スキムの厚さは、3.5mmである。次に、組立体全体を金型内にクランプし、ケーブルの各々は、これがクランプモジュールを用いて金型内に配置されているときに真っ直ぐなままであるようにするために十分な張力(例えば2daN)下に維持される。加硫(硬化)プロセスは、140℃の温度で且つ15バールの圧力(測定長さが80×200mmの長方形ピストンによって及ぼされる)下において40分にわたり行われる。この後、組立体を脱型し、そして特徴付けのために測定の長さが7×7×20mmの平行六面体の形態をした、上記のように被覆されたケーブルの10個の試料の状態に切断する。]
[0090] 従来型タイヤゴムコンパウンドは、被覆ゴムとして用いられ、このコンパウンドは、天然(解凝固)ゴム及びN330カーボンブラック(65phr)を主成分とし、更に、次のありふれた添加物、即ち、硫黄(7phr)、スルフェンアミド促進剤(1phr)、ZnO(8phr)、ステアリン酸(0.7phr)、酸化防止剤(1.5phr)及びコバルトナフテネート(1.5phr)を更に含む。被覆ゴムの弾性率E10は、約10MPaである。]
[0091] 試験は、以下のように、周囲ゴムコンパウンド(又は被覆ゴム)で被覆されたケーブルの2cm長さ分について実施され、即ち、空気を1バールの圧力下でケーブルの入口に注入し、これから出る空気の量を流量計(例えば0〜500cm3/分に較正されている。流量計の使用により測定する。測定中、ケーブル試料をケーブルを一端から他端までその長手方向軸線に沿って通過する空気の量だけを測定するように圧縮シール(例えば、高密度フォーム又はゴムシール)に収納して動かないようにする。前もって、固体ゴム試料を用いて即ち、ケーブルの入っていないゴム試料を用いてシールの密封性をチェックする。]
[0092] 測定平均空気流量(10個の試料に関する平均値)は、ケーブルの長手方向不透過性が高ければ高いほど低い。測定値が±0.2cm3/分に一致して正確なので、0.2cm3/分以下の測定値は、ゼロであると考えられ、これら測定値は、ケーブル軸線(即ち、その長手方向)に沿って完全に気密であるということができるケーブルに相当する。]
[0093] C.充填ゴム含有量]
[0094] 当初のケーブル(したがって、現場ゴム引きケーブル)の重量と適当な電解処理により充填ゴムを除去したケーブル(したがってそのワイヤのケーブル)の重量の差を測定することにより充填ゴムの量を測定する。]
[0095] サイズを減少するためにそれ自体巻かれたケーブル試料(長さ1m)は、電解槽の下層部(発電機の負の端子に接続される)を構成し、アノード(正の端子に接続される)は、白金線から成る。電解質は、1リットル当たり1モルの炭酸ナトリウムを含む水溶液(脱イオン水)から成る。]
[0096] 電解質中に完全に浸漬された試料には、15分間300mAの電流で電圧が印加される。次に、ケーブルを浴から取り出し、水で十分過ぎるほど濯ぎ洗いする。この処理により、ゴムをケーブルから容易に取り外すことができる(もしこのようにしなければ、電解が数分間続けられる)。例えばワイヤを1本ずつその撚りをほどいてケーブルから取り外しながら吸収性の布を用いてゴムを拭うだけでゴムを注意深く除去する。ワイヤを再び水で濯ぎ洗いし、次に脱イオン水(50%)とエタノール(50%)から成る混合物を収容したビーカ内に浸漬させる。ビーカを10分間超音波浴中に浸漬させる。このようにしてゴムを残さず剥ぎ取ったワイヤをビーカから取り出し、窒素又は空気の流れ中で乾燥させ、最終的に秤量する。]
[0097] このことから、計算により、10個の測定値(即ち、全部でケーブルの10m分)について平均された初期ケーブルの1g(グラム)当たりのケーブル中における充填ゴムのmg(ミリグラム)で表された充填ゴム含有量が導き出される。]
[0098] II−2.ケーブルの製造]
[0099] まず最初に2種類のケーブル、即ち3+9層状ケーブル(参照例C‐1)及び1+3+8層状ケーブル(参照例C‐5)を全て製造したが、これらのそれぞれの構造は、それぞれ図2及び図6に示された略図に従っており、これらの機械的性質は、表1に与えられている。] 図2 図6
[0100] 〔表1〕
表1
ケーブルp1 p2 Fm Rm At
(mm) (mm) (daN) (MPa) (%)
C‐1 15.4 15.4 258 3140 2.5
C‐5 7.7 15.4 274 2590 2.5]
[0101] 図2に概略的に示されているC‐1ケーブルを、上述した装置を用いると共に図1に概略的に示した本発明の方法に従って製造した。充填ゴムは、以下のタイヤ内試験においてケーブルC−1が補強するようになったベルトプライのゴムプライの処方と同一の処方を備えたタイヤクラウン補強材に関して従来のゴムコンパウンドであった。このコンパウンドをサイズが0.700mmのサイジングダイにより90℃の温度で押し出した。] 図1 図2
[0102] 各ケーブルC‐1は、全て直径が0.30mmである全部で12本のワイヤで構成され、これらワイヤは、コンパクトな形態のケーブルを得るよう同一のピッチ(p1=p2=15.4mm)及び同一の撚り方向(S)で巻かれている。セクションII‐1‐Cにおいて上述した方法に従って測定した充填ゴムのレベルは、ケーブルの1g当たり16mgである。充填ゴムは、3本のコアワイヤにより形成されると共にこれらコアワイヤを非常に僅かではあるが離隔させる中央チャネル又は毛管部を充填すると同時に3本のワイヤにより形成された内側層Ciを完全に覆う。この充填ゴムは又、1本のコアワイヤ及びこれに直ぐ隣接して位置する2本の外側ワイヤとの間に形成されるか2本のコアワイヤとこれに隣接して位置する外側ワイヤとの間に形成されるかのいずれかである各隙間又はキャビティも又、完全ではなくても少なくとも部分的に充填する。]
[0103] 図6に示されているケーブルC‐5を従来方法により製造した。これらケーブルには充填ゴムが含まれていない。各ケーブルC‐5は、非常に小さな直径(0.1mm)のコアワイヤ(65)、各々の直径が0.35mmである3本の内側ワイヤ(60)及び8本の外側ワイヤ(61)を有する。内側層中の3本のワイヤは、7.7mmに等しいピッチp1で螺旋をなして(S方向に)一緒に巻かれており、この層Ciは、8本のワイヤの円筒形外側層と接触状態にあり、これら8本のワイヤは、これら自体、15.4mmに等しいピッチpでコアに螺線体をなして(S方向に)互いに巻き付けられている。コアワイヤ(65)は、内側層Ciのワイヤ(65)を離隔させると共に何らかの仕方でこれら3本のコアワイヤ(60)により形成された中央チャネルを充填することにより、外側層Ce(一方の層と他方の層とでは同一のワイヤ直径の場合)を脱飽和することができ(内側層Ciの直径を増大させることにより)、ゴムが外側からケーブル(C‐5)に侵入する能力が向上する。ケーブルC‐5は、この構造により、外側からその中心までずっと侵入可能な状態になる。] 図6
[0104] これらケーブルを製造するために用いられるワイヤの全ては、公知の方法を用いて製造された細い炭素鋼ワイヤであり、これらの特性は、以下の表2に与えられている。]
[0105] 〔表2〕
表2
スチールφ(mm) Fm(N) Rm(MPa)
SHT0.30 226 3200
HT 0.35 263 2765]
[0106] 次に、層状ケーブルC‐1及びC‐5をカレンダ掛けにより重車両用のラジアルタイヤのベルトプライを製造するために使用できる従来型ゴムコンパウンドで作られたゴムのプライ(スキム)中に組み込む。このコンパウンドは、天然(解凝固)ゴム及びカーボンブラックN330(55phr)を主成分とし、更に、次の従来の添加物、即ち、硫黄(6phr)、スルフェンアミド促進剤(1phr)、ZnO(9phr)、ステアリン酸(0.7phr)、酸化防止剤(1.5phr)及びコバルトナフテネート(1phr)を更に含み、被覆ゴムのE10弾性率は、約6MPaである。]
[0107] II−3.タイヤクラウン補強材中のケーブル試験]
[0108] 次に、図7に示されている重量物運搬車両用のタイヤのベルト中のケーブルC‐1,C‐5について試験した。] 図7
[0109] このラジアルタイヤ1は、クラウン補強材又はベルト6によって補強されたクラウン2、2つのサイドウォール3及び2つのビード4を有し、これらビード4の各々は、ビードワイヤ5によって補強されている。クラウン2は、この略図では示されていないトレッドで覆われている。カーカス補強材7が各ビード4中の2本のビードワイヤ5に巻き付けられ、この補強材7の折り返し部8は、例えばタイヤ1の外側に向かって位置決めされており、タイヤ1は、この場合、そのリム9に取り付けられた状態で示されている。それ自体知られているように、カーカス補強材7は、「ラジアル(半径方向)」ケーブルにより補強された少なくとも1枚のプライによって形成され、即ち、これらケーブルは、事実上互いに平行であり、中間円周方向平面(この平面は、2つのビード4相互間の途中に配置され、クラウン補強材6の中央を通過したタイヤの回転軸線に垂直である)と80°〜90°の角度をなすよう一方のビードから他方のビードまで延びている。当然のことながら、このタイヤ1は、知られているように、タイヤの半径方向内側フェースを構成すると共にカーカスプライをタイヤ内部の空間から来る空気の拡散から保護するようになったゴム又はエラストマーの内側層(通常、「内側ライナ」と呼ばれている)を更に有する。]
[0110] 本発明のタイヤは、そのベルト6が少なくともベルトプライのうちの少なくとも1つの補強材として、本発明に従って2つの層から成る2つの金属ケーブルを有するということを特徴としている。図7に非常に簡単な仕方で概略的に示されたこのベルト6では、本発明のケーブルは、例えば、「実働」ベルトプライと呼ばれるもののうちの幾つか又は全てを補強することができるということは理解されよう。当然のことながら、このタイヤ1は、知られているように、タイヤの半径方向内側フェースを構成すると共にカーカスプライをタイヤ内部の空間から来る空気の拡散から保護するようになったゴムコンパウンド又はエラストマーの内側層(通常、「内側ライナ」と呼ばれている)を更に有する。] 図7
[0111] クラウン補強材又はベルト6は、それ自体知られている仕方で、65°に傾けられた金属ケーブルで補強された2つの三角形構造ハーフプライで作られ、かかるベルトの上には、2つの重ね合わされてクロス掛けされた「実働プライ」が載っている。これら実働プライは、互いに実質的に平行に配置されると共に26°(半径方向内側プライ)及び18°(半径方向外側プライ)だけ傾けられた金属ケーブルで補強されている。2つの実働プライは、更に、18°だけ傾けられた従来型(高い伸び率の)弾性金属ケーブルで補強された保護プライで覆われている。指示した傾斜角は全て、タイヤの中間円周方向平面に対して測定されている。]
[0112] 以下の試験において、上述の2枚の「実働プライ」は、前もって製造されたケーブルC‐1かケーブルC‐5かのいずれかを用いている。]
[0113] 315/80R22.5サイズの重車両用タイヤ(P‐1及びP‐5で表示される)について2通りの一連の走行試験を実施し、即ち、各一連の試験において、走行を目的とするタイヤに対する試験を行うと共に新品タイヤに対して層剥離を生じさせる試験を行った。タイヤP‐1,P‐5は、これらのベルト6を補強するケーブルを除き互いに同一であった。タイヤP‐1は、本発明の方法に従って製造されたケーブルC‐1で補強され、タイヤP‐5は、ケーブルC‐5により補強され、これらケーブルC‐5は、特に従来型3+9ケーブル(個々のコアワイヤが設けられていない)と比較して公認された性能に鑑みて、この種の試験の選択のコントロールとなる。]
[0114] これらタイヤは、これらタイヤに(自動転動機械で)非常に強力なコーナリング及びショルダーゾーン内のこれらクラウンブロックの強力な圧縮のシーケンスを加えることにより、過負荷条件下において、「割裂(ベルトプライの端部の分離)」と呼ばれている現象に対するこれらの耐性を試験するようになった厳しい走行試験を受けるよう構成した。]
[0115] タイヤを強制的に破壊するまで試験を行った。]
[0116] この場合、本発明の構造により補強されたタイヤP‐1は、これに課された非常に厳格な走行条件下において、非常に良好な耐久性を有し、平均走行距離は、既に優れた性能を示したコントロールタイヤの平均走行距離の20%増しであるということが観察された。]
[0117] II−4.通気度試験]
[0118] また、1分間にケーブルを通過する空気の量(単位:cm3)を測定することにより(試験対象の各ケーブルについて10個の測定値の平均値を取ることにより)本発明のケーブルC‐1に通気度試験(セクションII−1−B)を実施した。]
[0119] 試験対象の各ケーブルC‐1に関し、そして測定値の100%(即ち、10個のうち10個の試料)に関し、ゼロ又は0.2cm3/分未満の流量が測定され、したがって、ケーブルC‐1は、空気に対して不透過性であり、セクションII−1−Bの試験の意味の範囲内において、気密であると認められ、このことは、ゴム(充填ゴム)による侵入量が最適であるということを意味している。]
[0120] ケーブルC‐1と同一の3+9構造の現場でゴム引きされたコントロールケーブルを、内側層Ciの単一のワイヤ又は3本のワイヤの各々を個々に被覆することにより、調製した。この被覆は、この時点においては、先行技術(上述の米国特許出願公開第2002/160213号明細書)において説明したように組み立て箇所(連続して行われる被覆及び撚り)の上流側に配置された可変直径(320〜420μm)の押出しダイを用いて実施され、厳密な比較のため、充填ゴムの量を更に、最終のケーブル中における充填ゴムの含有量(セクションII‐1−Cの方法に従って測定してケーブル1g当たり6〜25mg)が本発明のケーブルの充填ゴム含有量に近いように調整した。]
[0121] ちょうど1本のワイヤを被覆する場合、試験対象のケーブルがどのようなものであれ、測定値の100%(即ち、10個のうちで10個の試料)が2cm3/分を超える空気流量を指示することが観察された。測定平均流量は、用いられた作動条件下において、特に試験された押出しダイ直径では、16cm3/分〜62cm3/分に変化した。]
[0122] 3本のワイヤを個々に被覆する場合、測定平均流量が先の値よりも低いことが判明した場合であっても(0.2cm3/分〜4cm3/分に変化した)、次のことが観察された。
‐最悪の場合(320μmダイ)では、測定値の90%(即ち、10個のうちで9個の試料)の流量は、2cm3/分を超え、平均流量は、4cm3/分であった。
‐最善の場合(420μmダイ)では、測定値の10%(即ち、10個のうちで1個の試料)の流量は、依然として約2cm3/分であり、平均流量は、0.2cm3/分に近かった。]
[0123] 換言すると、試験された上述のコントロールケーブルのうちで、セクションI‐2における試験の意味の範囲内において、その長手方向軸線に沿って気密であるケーブルと呼びうるものはどれ1つとして無かった。]
[0124] さらに、これらコントロールケーブル、即ち通気度が最も低いケーブル(思い起こされるべきこととして、420μmダイにより3本のワイヤの各々を個々に被覆することにより得られたケーブル)の周囲上には比較的多量の充填ゴムが存在し、このために、かかるケーブルは、工業規模のカレンダ掛け操作には適していなかった。]
[0125] 以上を要約すると、本発明により、現場でゴム引きされるM+N構造のケーブルの製造を可能にし、又、これらケーブルは、ゴムの最適侵入度により、特に製造時点で突き出る過剰なゴムと関連した問題を生じさせないで、第1に産業条件下において効果的に利用でき、第2にかかる用途に従来知られている最適なコントロールケーブルとの比較によりかなり改善されたタイヤベルトの耐久性を有する。]
权利要求:

請求項1
ピッチp1で螺旋の状態に一緒に巻かれる直径d1のM(M=2〜4)本のワイヤから成る内側層(Ci)と、ピッチp2で螺旋の状態に前記内側層(Ci)に一緒に巻き付けられる直径d2のN本のワイヤの外側層(Ce)とを含むM+N構造の2つの層(Ci,Ce)を有する金属ケーブルを製造する方法であって、前記方法は、少なくとも連続して実施される次のステップ、即ち前記M本のコアワイヤを撚ることにより組み立てて組み立て箇所に前記内側層(Ci)を形成するステップ、前記M本のコアワイヤの組み立て箇所の下流側において、前記内側層(Ci)を生の状態の「充填ゴム」と呼ばれるジエンゴムコンパウンドで被覆するステップ、前記被覆状態の前記内側層(Ci)の周りに前記外側層(Ce)の前記N本のワイヤを撚ることにより組み立てるステップ、及び撚りを釣り合わせる最終ステップを有する、ことを特徴とする方法。
請求項2
前記直径d1は、0.20〜0.50mmであり、撚りピッチp1は、5〜30mmである、請求項1記載の方法。
請求項3
前記組み立て箇所の下流側で前記M本のワイヤに加えられる引張応力は、これらワイヤの引張強度の10〜25%である、請求項1又は2記載の方法。
請求項4
前記充填ゴムの前記ジエンエラストマーは、ポリブタジエン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー、及びこれらエラストマーの配合物から成る群から選択される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
請求項5
前記ジエンエラストマーは、天然ゴムである、請求項4記載の方法。
請求項6
前記充填ゴムの押出し温度は、60℃〜120℃である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
請求項7
被覆中に送り出される充填ゴムの量は、完成状態のケーブルの1グラム当たり5〜40mgである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
請求項8
前記内側層は、被覆後、5μmを超える最小厚さの充填ゴムで覆われる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
請求項9
前記直径d2は、0.20〜0.50mmであり、前記ピッチp2は、p1以上である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
請求項10
前記外側層の前記ワイヤは、前記内側層の前記ワイヤと同一のピッチ且つ同一の撚り方向で螺旋の状態に巻かれる、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
請求項11
Mは、3に等しく、Nは、8、9、又は10に等しい、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
請求項12
前記外側層Ceは、飽和層である、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
請求項13
請求項1〜11のうちいずれか一に記載の方法を実施するために使用できる組み立てとゴム引きを連続して行う装置であって、前記方法の実施中において前記装置が、形成中の前記ケーブルの移動方向において上流側から下流側に、前記M本のコアワイヤを供給する手段、前記M本のコアワイヤを撚り合わせることにより組み立てて前記内側層を形成する第1の手段、前記内側層を被覆する手段、前記被覆手段の下流側に設けられていて、前記N本の外側ワイヤを前記被覆状態の内側層の周りに撚ることにより組み立てて前記外側層を形成する第2の手段、及び前記第2の組み立て手段の出力部のところに設けられていて、撚り釣り合わせ手段を有する、ことを特徴とする装置。
請求項14
固定された供給装置及び回転受取り装置を有する、請求項13記載の方法。
請求項15
前記被覆手段は、少なくとも1つのサイジングダイを有する単一の押出しヘッドから成る、請求項13又は14記載の装置。
請求項16
前記ワイヤの撚りを釣り合わせる前記手段は、ストレートナ、ツイスタ、又はツイスタ‐ストレートナを含む、請求項13ないし15のいずれか1項に記載の装置。
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